妊婦さんとお腹の赤ちゃんの健康を守るため、世の中には「妊娠中は控えた方が良い」と言われる食材がたくさん存在します。
その中で、「チーズをふんだんに使ったチーズフォンデュは妊娠中に食べて大丈夫?」と、ふと疑問に感じたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか?
この記事では、妊婦がチーズフォンデュを食べても大丈夫なのか、そしてチーズフォンデュを食べる時に注意すべき点とはどういったことなのか、詳しく紹介していきます!
妊婦がチーズフォンデュを食べても大丈夫?
結論から言うと、妊婦さんでもきちんと加熱すれば安心してチーズフォンデュを食べることができます。
妊娠中にチーズが食べたくなった時、製造過程できちんと加熱処理されているかどうかを確認するのがポイントです。
世界に1,000種類以上もあるチーズは、大きく分けると「ナチュラルチーズ」と「プロセスチーズ」の2つに分類できます。
ナチュラルチーズは、加熱処理がされていない生乳から作られたチーズを言い、「リステリア菌」という食中毒菌の一種が潜んでいる可能性があります。
免疫力が低下している妊婦さんは、健康な成人よりもリステリア症に感染するリスクが高いとされています。
妊婦さんが感染すると早産や流産だけでなく、赤ちゃんが敗血症や髄膜炎などの深刻な病気を発症する恐れがあります。
そのため、妊婦さんは「ナチュラルチーズ」と呼ばれるものに注意が必要なんですね。
ナチュラルチーズには以下のようなチーズがあてはまります。
- モッツァレラチーズ
- カマンベールチーズ
- クリームチーズ
- チェダーチーズ
- ゴルゴンゾーラチーズ
- パルミジャーノチーズ など
一方のプロセスチーズは、ナチュラルチーズを加熱して溶かし、再度固めたたチーズのことで、妊娠中に食べても食中毒の心配はありません。
プロセスチーズには以下のようなチーズがあてはまります。
- スライスチーズ
- ベビーチーズ
- 6Pチーズ
- キャンディーチーズ など
チーズフォンデュはナチュラルチーズで作ることが多いのに、
どうして食べて平気なの?
その答えは、チーズフォンデュはチーズがトロトロに溶けるまでグツグツと加熱調理してから食べるものだからです!
リステリア菌は、75℃の熱で数分間加熱すれば死滅します。
ナチュラルチーズを加熱することで菌が死滅するので、リステリア菌の感染リスクを抑えることができます。
ピザやグラタン、ベイクドチーズケーキなども、チーズを加熱してから食べるので妊婦さんでも安心して食べることができますよ♪
仮に加熱していないナチュラルチーズを食べてしまい、悪寒・発熱・嘔吐・下痢・背中の痛みなどの症状が出た場合は速やかに病院を受診してください。
食べて良いか不安がある場合には、病院の医師や保健センターの管理栄養士に相談してみるようにして下さいね!
こちらの記事では妊娠中のナチュラルチーズについてくわしくご紹介しているので、あわせて読んでみてくださいね!
⇨ 妊娠中にナチュラルチーズを食べてしまった!妊婦はナチュラルチーズを食べても大丈夫?
チーズフォンデュにワインを使用してもいい?
チーズフォンデュを作るときに使う白ワインですが、白ワインを使ったチーズフォンデュを妊娠中に食べても大丈夫なの?と気になっている妊婦さんもいますよね。
こちらについてもアルコール分をきちんと飛ばせば、チーズフォンデュにワインを使用しても問題ありません。
白ワインに含まれるアルコールは、78.5℃以上で数分間加熱すれば飛ばすことができます。
チーズフォンデュはチーズがトロトロに溶けるまでしっかり加熱するので、白ワインのアルコールは加熱しているあいだに飛んでなくなっています。
ただし、加熱が足りなくてアルコール分をきちんと飛ばし切れていなかったり、白ワインの分量が多かったりした場合はアルコールの摂取につながる可能性があるので気をつけてくださいね。
少量の白ワインであれば過度に心配する必要はありませんが、妊娠初期やアルコールに弱い妊婦さんは白ワインのかわりに牛乳を使ってみるのもおすすめですよ♪
チーズフォンデュを食べる時の注意点は?
チーズフォンデュを妊婦さんが食べるには、しっかり加熱することによってリステリア菌を死滅させ、同時にアルコール分を飛ばす必要があることについてお伝えしてきました。
チーズフォンデュを食べる時の注意点として、他にはどんなものがあるのでしょうか。
ここでは3つお伝えします!
①輸入物のナチュラルチーズは避ける
輸入されたナチュラルチーズは加熱処理がされていないものが多くあります。
国産のチーズは加熱殺菌が義務付けられており、リステリア菌の感染率が低くなっています。
そのため、チーズフォンデュを作る時には日本で作られたチーズを選んで購入しましょう。
②衛生管理を徹底する
安心かつ安全なチーズを購入して加熱処理しても、衛生管理が徹底されていなければ意味がありません。
商品パッケージに記載してある賞味期限や保存方法をよく確認しましょう!
また、キッチンを清潔に保ち、調理前には念入りに手を洗って、調理後は使った調理器具を洗剤で洗って熱湯をかけて殺菌するとよいでしょう。
③チーズの摂取量に気を付ける
チーズにはタンパク質やカルシウムが多く含まれるので、手軽に必要な栄養を補給することができます。
その半面、脂質や塩分を多く含み高カロリーですので、食べ過ぎに注意する必要があります。
妊娠中は体重管理や塩分の摂取量に気をつけなければならないので、チーズの食べ過ぎには気をつけてくださいね!
こちらの記事では妊婦さんの体重管理の方法についてご紹介しているので、ぜひ読んでみてくださいね!
⇨ 妊婦の体重管理が厳しすぎる!体重増加を抑える方法は?
まとめ
妊娠中にチーズフォンデュを食べると危険なのか、そしてチーズフォンデュを食べる時に注意すべき点についてご紹介しました。
ここまでをまとめると、以下のようになります。
- チーズフォンデュは78.5℃以上の熱で数分間、チーズがとろとろに溶けるまで加熱すれば妊娠中でも食べることができる。
- チーズフォンデュに限らず、ナチュラルチーズを食べる場合は75℃以上で数分間加熱する。
- 加熱が不十分だと菌が死滅せず、アルコールも飛ばない可能性があるので注意が必要。
- 輸入物のナチュラルチーズは避ける。
- 衛生管理を徹底する。
- チーズの食べ過ぎに注意。
妊娠中であっても、チーズの選び方や調理法、摂取量などに気をつけることで、チーズフォンデュを食べることができます。
妊娠前はあまり気にしていなかった食生活も、お腹の赤ちゃんのことを思うと気になるものですよね。
妊娠中は自由に動けないこともあってストレスを感じやすい時期かもしれません。
そんな時にはこちらの記事を参考に、たまにはおうちやお店でチーズフォンデュを楽しみつつ、ゆったりと心穏やかに妊婦生活をお過ごしいただければ幸いです♪