じゃがいもはシチューやコロッケなどいろいろなメニューに使えて、長く保存もできるので便利な食材ですよね。
ただ、いつ買ったか覚えていないじゃがいもを調理して「苦い…」と感じたり、「ピリピリとした喉のしびれを感じるけど大丈夫かな…」と不安になったことはありませんか?
この苦いじゃがいもは食べてしまっても大丈夫なのでしょうか?
また、じゃがいもが苦くなる原因や、口の中がピリピリとしびれている場合、どのように対処したらいいのか気になりますよね。
そこでこの記事では、じゃがいもが苦いのに食べてしまったという方にむけて、苦いじゃがいもは食べても大丈夫なのか、その原因や対処法についてもご紹介します。
離乳食でも活躍する赤ちゃんから大人まで大人気なじゃがいもを、おいしく安全に食べるためにも、ぜひ最後まで読んでみてくださいね!
苦いじゃがいもを食べてしまったけど大丈夫?苦味の原因は?
じゃがいもが少しでも苦いと感じた場合は、すぐに食べるのをやめて吐き出すようにしましょう。
この苦味の原因は、じゃがいもに含まれるポテトグリコアルカロイドという天然毒素によるものです。
ポテトグリコアルカロイドは芽や皮、緑色に変色している部分に特に多く含まれています。
少量であればそれほど問題ありませんが、たくさん摂取することで食中毒の症状を引き起こす可能性があるので注意が必要です。
ソラニンやチャコニンなどのグリコアルカロイドを、体重1kgあたり1mg以上摂取すると食中毒症状があられる可能性があります。
さらに体重1kgあたり3~6 mg以上摂取すると命に関わる危険があるとされています。
【参考】農林水産省:ソラニンやチャコニンによる健康影響
つまり体重50㎏の人の場合だと、ポテトグリコアルカロイドを50㎎以上摂取すると食中毒になる危険性があるということですね。
特に免疫力が低い小さな子供や妊娠中の方などは、食中毒を発症するリスクが高いので、苦い味や異変を感じたらすぐに医療機関を受診しましょう。
「せっかく作ったのにもったいない…」と苦いじゃがいもを食べてしまうと、食中毒になって時間もお金も失うことになってしまいます。
そのため、苦味を感じたら即座に食べるのを中止しましょう。
誤って食べてしまった場合は、口の中の苦味を和らげるために水や牛乳を飲んだり、うがいをするようにしましょう。
もし下痢や嘔吐、寒気、腹痛、過度な発汗など、普段とは違う症状が現れた場合は、ひどくなる前にすぐに病院を受診するようにしてくださいね。
苦いじゃがいもを食べてしまったときの対処法は?
苦いじゃがいもを食べると、ソラニンやチャコニンといった毒素により口の中や喉にピリピリとしたしびれを感じることがあります。
もし、苦いじゃがいもを食べて喉や口の中にしびれを感じるときは、水を飲んだりうがいをするなどして口の中のえぐみや苦味を出すことが大切です。
それでもしびれが落ち着かず、食中毒の症状が出た場合は、すぐに医療機関を受診するようにしましょう。
もし、水を飲んだりうがいをして口の中のしびれが落ち着くようであれば、しばらく様子を見て異常がないか確認しましょう。
ポテトグリコアルカロイドは少量の摂取であれば食中毒になる確率は低いです。
しかし子どもや妊婦さんが食べてしまったり、通常の大人でもある程度の量を食べてしまった場合は食中毒を発症するリスクが高くなります。
じゃがいもによる食中毒をふせぐためにも、
- 苦味を感じた時点で食べるのをやめる
- 水や牛乳を飲んだり、うがいをして口の中の苦味やえぐみを流す
- 医療機関の受診の準備をしつつ体の様子をみる
- 下痢、腹痛、嘔吐、汗が止まらない…など「いつもとちがう」と感じたら病院へ
ということを徹底してみてくださいね。
また、苦いじゃがいもを食べてしまったときは「じゃがいもをどのくらい食べたか。皮はついたままだったのか」などメモしておくのがおすすめです。
受診の際にしゃべれなくても、お医者さんにメモを見せることで状況を伝えられるのでスムーズに診察を行うことができますよ。
苦いじゃがいもを食べないようにする方法は?
じゃがいもの苦味やしびれは、ポテトグリコアルカロイドという天然の毒素が原因です。
ポテトグリコアルカロイドの主要な成分には「ソラニン」と「チャコニン」の2つがあり、「ソラニン」はじゃがいもの芽の部分に多く含まれていることで知られていますね。
これらの毒素は、じゃがいもが害虫や鳥などに食べられないようにするために生成されるもので、食べることで苦味やえぐみ、舌や喉のしびれを感じることがあります。
苦いじゃがいもを食べないようにするには、この毒素を作らせない、あるいは取り除くことで防ぐことができます。
そこで、苦いじゃがいもを食べないようにするための方法を以下で詳しくご紹介します。
じゃがいもを調理するとき
じゃがいもを調理するときは、以下の点に注意してくださいね。
- 芽や皮をしっかり取り除く
- 緑色に変色した部分はポテトグリコアルカロイドが多く含まれているので使わない
- じゃがいもを剥いたときに全体が緑に変色している場合は捨てる
- 未熟な若いじゃがいもは避ける
- 長期保存したじゃがいもはつかわない
じゃがバターやフライドポテトなど、皮付きのままじゃがいもを食べたい時は皮の薄い新じゃがを使うようにしましょう!
じゃがいもの保存方法
①新聞紙にくるんで保存
新聞紙で包むことで乾燥と光から守り、毒素が増えることを防ぎます。
冷蔵庫の野菜室や室内保存の場合であれば、光が当たらず暗くて風通しのよい場所に置いておくのがおすすめです。
②りんごと一緒に保存
りんごとじゃがいもを新聞紙に包んだり、ビニール袋にいれて保存する…昔からある保存の仕方ですが、しっかりとした根拠がありますよ。
りんごから発生される「エチレンガス」はじゃがいもの発芽を抑制する効果があるので一緒に保存するのがおすすめです。
保存場所は冷蔵庫の野菜室や、室内でも暗くて風通しの良い所がいいですよ。
りんごはじゃがいもより傷みやすいので気をつけてくださいね。
じゃがいもが苦いのに食べてしまったけど大丈夫?苦味の原因や対処法は? まとめ
苦いじゃがいもをのに食べてしまったけど大丈夫なのか、苦味の原因や対処法についてもお伝えしました。
じゃがいもの苦味やしびれの原因はポテトグリコアルカロイドという毒素が原因です。
少量であれば食中毒になる可能性は低いので、まずは焦らず落ち着いて様子を見ながら対処しましょう。
それでも”体調が良くならない”、”いつもと違う”という場合は、すぐに医療機関を受診するようにしてくださいね。
ご紹介した方法を参考に、今後は苦いじゃがいもを食べないように気をつけてみてくださいね!