ナチュラルチーズを妊娠中に食べてしまったけど大丈夫？国産も加熱が必要？

妊娠中は想像以上にいろいろな我慢が制約がありますよね。

コーヒーや紅茶にはカフェインが入っているから妊娠前のようには飲めないし、タバコやお酒なんてもってのほか！

運動も転ばないように気をつけなければならないし、風邪を引いたからといって自己判断で薬も飲めません。

妊娠すると自分１人だけの体ではないからと普段以上に気をつけていても、うっかり食べてはいけないと言われているものを食べてしまった！ということってありますよね。

そんな食べ物の１つにナチュラルチーズがあります。

パスタやピザなど身近な食べ物にナチュラルチーズは使われているので、妊娠中に食べてしまった場合、大丈夫なのか不安になりますよね。

今回は、ナチュラルチーズを妊娠中に食べてしまったけど大丈夫なのかという事と、国産のナチュラルチーズも加熱が必要なのか、という事についてご紹介します！

ナチュラルチーズを妊娠中に食べてしまったけど大丈夫？

結論から言うと、妊娠中に加熱していないナチュラルチーズを食べることは避けてください。

妊娠中に非加熱のナチュラルチーズを食べてはいけない理由として、ナチュラルチーズは製造過程で加熱処理されておらず、「リステリア菌」という細菌に汚染されている可能性があります。

通常であれば免疫によって排除されたり、発症したとしても軽症ですむことがほとんどですが、妊婦さんは免疫力が低下しているため通常の成人と比べて発症リスクが約20倍と高く重症化しやすいです。

妊婦さんがリステリア菌に感染して重症化すると命を落とす可能性が高いとして、厚生労働省も注意喚起をおこなっています。

★厚生労働省：リステリア菌による食中毒

さらに妊婦さんが感染すると、胎盤を通してお腹の赤ちゃんも感染してしまう可能性があります。

お腹の中の赤ちゃんが感染した場合、発達に悪影響を及ぼしたり、流産・早産・死産といった最悪の事態を引き起こす可能性もあり、妊婦さんはリステリア菌による食中毒には特に気をつけなければならないんですね。

このような理由から、妊娠中にナチュラルチーズを食べてはいけないとされているんですね。

もし妊娠中にナチュラルチーズを食べてしまったら？

妊娠中に気がつかずにナチュラルチーズを食べてしまった場合、まずは体調に変化がないか様子をみましょう。

WHOによると、リステリア感染の発症件数は国や地域によって左右されますが、発症頻度は年間100万人当たり0.１〜10人と報告されており、それほど高くはありません。

★WHO：リステリア症（ファクトシート）

誤ってナチュラルチーズを食べてしまったからといって、必ず発症するわけではないということも頭に入れておきましょう。

リステリア菌に感染すると、発熱・インフルエンザ様症状・腹痛・背部痛などといった症状が出ることが多いため、その様な症状が出た場合はすぐにかかりつけの病院を受診するようにしましょうね。

妊娠中でもチーズが食べたい！チーズの種類と食べられるチーズは？

「妊娠中だからチーズは食べられないのか…」と残念に思ったかもしれませんが、妊娠しているからといって全てのチーズが食べられないわけではないので安心してくださいね♪

妊娠中でも、チーズの食べ方や種類を間違わなければ安心して食べることができます！

チーズにはカルシウムやタンパク質、ビタミンA・B2が豊富に含まれており、妊娠中に必要な栄養素がたくさん詰まっている優秀な食材です。

チーズひと切れ（20g）には牛乳コップ１杯分（200ml）分の栄養素が含まれているんですよ♪

牛乳を飲むとお腹がゴロゴロしてしまう人でも、チーズにはお腹の不調の原因となる乳糖が少ないため、消化されやすく安心して食べることができるのも嬉しいメリットの１つ！

糖質も少ないため、体重管理で悩んでいる妊婦さんのオヤツにチーズはおすすめの食材なのです♪

今は鉄分やタンパク質を多く含むチーズもあり、そういったチーズをおやつに取り入れることは特におすすめなので、ぜひ試してみてくださいね！

＼　妊娠中でもそのまま食べられて鉄分やタンパク質も手軽に摂取！　／

チーズの種類は大きく分けると２種類ある

チーズの種類は大きく分けてプロセスチーズとナチュラルチーズの２種類があります。

プロセスチーズはナチュラルチーズを加熱して溶かしたものを再度冷やし固めたもので、長期間保存可能で味や風味が安定しています。

一方ナチュラルチーズは、牛乳、羊乳、山羊乳、水牛乳などの家畜から取れるミルクを原料に使い、乳酸菌、天然酵母、酵素などを加えてできた固まりから水分を除いてできた、生きた乳酸菌がいるチーズです。

ナチュラルチーズは７種類に分類でき、大きさや形、成熟期間や酵素、微生物の働きで風味が変化するという特徴があります。

モッツァレラチーズやカマンベールチーズ、パルメザンやゴルゴンゾーラ、コーダチーズはお料理にもよく使われるためなじみ深いチーズですが、これらは全てナチュラルチーズになります。

なじみ深いチーズなだけに、つい普段通りそのまま食べてしまいそうになるかもしれませんが、妊娠中はチーズは気をつけてみるようにしてくださいね！

妊娠中でも食べられるチーズは？

妊娠中でも安心して食べられるチーズは、加工の段階で加熱・殺菌処理されたプロセスチーズです。

プロセスチーズにはスライスチーズや６Pチーズ、ベビーチーズなどがあります。

プロセスチーズには鉄分やタンパク質、葉酸など、妊婦さんに嬉しい栄養素が入っている商品も数多く出ており、カルシウム不足や貧血になりやすい妊娠中の食事に、手軽に食べられるチーズを取り入れるのはおすすめです。

パッケージの裏面を見て「プロセスチーズ」と記載されているチーズは、妊娠中でも安心して食べられるチーズですよ！

他にもハードチーズのエメンタールチーズやグリュイエールチーズも、妊娠中に安心して食べることができるチーズです。

食品安全委員会の資料にも、ハードチーズは妊婦さんや小さい子供が食べても大丈夫と記載があるので、気になる方はチェックしてみてくださいね！

国産のナチュラルチーズは加熱が必要？

国産のナチュラルチーズは、原料乳の時点で加熱殺菌によりリステリア菌が死滅している上に、出荷前にもしっかりとした検査が行われています。

そのため、国産のナチュラルチーズは加熱をしていなくてもリステリアに感染する危険性はありません。

日本は食品に対する安全基準が高く、法令に基づいた条件で殺菌した原料乳を使用してナチュラルチーズを製造しているので安心して食べることができるんですよ♪

「それでもやっぱり気になる…」という場合は75度以上で数分間加熱をしてから食べましょう！

リステリア菌は耐熱性が低く、75度以上で数分加熱すると急速に死滅していきます。

一方で0度～45度では増殖する上に耐酸性が強く、常温では10%の食塩水でも増殖します。

75度以下の温度では確実な加熱処理とはいえず、リステリア菌が生存している可能性があるため、必ず75度以上の温度で数分間加熱してくださいね。

加熱処理をすれば国産のナチュラルチーズのみならず、海外から輸入した非加熱のナチュラルチーズも食べることができます。

どうしてもナチュラルチーズが食べたい場合は、国産のナチュラルチーズを選ぶか、輸入したナチュラルチーズの場合はしっかりと加熱してから食べるようにしましょう♪

ナチュラルチーズを妊娠中に食べてしまったけど大丈夫？国産も加熱が必要？　まとめ

ナチュラルチーズを妊娠中に食べてしまったけど大丈夫なのか、さらには国産のナチュラルも加熱が必要なのかご紹介しました。

チーズが好きな女性にとって、妊娠中にナチュラルチーズが食べられないのは辛いですよね。

しかし、妊娠しているからと言って絶対にチーズが食べられないわけではありません。

プロセスチーズであればそのまま食べることができますし、ナチュラルチーズは加熱処理をすることで妊娠中でも問題なく食べらます♪

チーズには妊婦さんに必要な栄養素がたくさん含まれている優秀な食材なので、積極的に食べたい食材の１つです。

妊娠中にチーズが食べたくなった場合はプロセスチーズを選ぶか、しっかりと加熱したナチュラルチーズを食べるようにしてみて下さいね♪