九州地方の郷土料理として有名な鳥刺しや鳥のたたきですが、妊娠中に食べても大丈夫なのでしょうか。
好きな食べ物だと、食べたい気持ちが勝ってつい口にしてしまい、あとから心配になることってありますよね。
そもそも妊娠中に鳥刺しを食べたら危険なのか気になりますよね。
もし危険であれば、鳥刺しや鳥のたたきを食べてしまった時の対処法や注意点について知りたいところです。
そこでこの記事では、妊娠中に鳥刺しや鳥のたたきを食べたら危険なのか、さらには食べてしまった時の対処法や注意点についてお伝えします。
妊娠中に鳥刺しや鳥のたたきを食べてしまい、不安に感じているようであれば、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
妊娠中に鳥刺しを食べたら危険?
結論からお伝えすると、妊娠中に鳥刺しや鳥のたたきを食べるのは、食中毒の危険性があるためおすすめできません。
妊娠中はお腹の赤ちゃんのことを第一に考えて食生活を送る必要がありますね。
鳥刺しを含めた生物(なまもの)全般(お刺身、ユッケ、馬刺し等)は、妊娠中に控えたい食べ物になります。
というのも、こうした生で口にする食べ物は食中毒の危険性が高いからです。
鳥刺しや鳥のたたきは生の鶏肉をスライスしたお刺身、あるいはその表面を炙っただけの鶏肉料理で、しっかりと中まで加熱されていません。
鶏肉にはトキソプラズマなどの食中毒菌が存在する可能性があり、生で食べることで食中毒になってしまう危険性があります。
トキソプラズマ菌による食中毒になった場合、初期段階では発熱、頭痛、倦怠感といったインフルエンザに似た症状がでるのが一般的です。
ただ、重度になるとリンパの腫れや意識障害、視力障害などの重篤な症状がでることもあり注意が必要です。
トキソプラズマ症は健康な人が感染しても無症状であることが多く、重症化の心配もそれほど高くはありません。
そのため、健康な妊婦さんがトキソプラズマ菌に感染しても症状がでないことも少なくないんですね。
感染しても症状が出ないなら安心なんじゃない?
しかし、食中毒の症状が出ないからといって安心はできないんです。
鳥刺しや鳥のたたきを食べてしまっても、症状が出ないとトキソプラズマ菌に感染しているかどうかわからないですよね。
妊婦さん自身が無症状でも実際には感染している場合、胎盤を通してお腹の赤ちゃんがトキソプラズマ菌に感染してしまい、先天性トキソプラズマ症を発症する可能性があります。
ということは、知らぬ間に赤ちゃんが感染している可能性もあるってこと?!
つまり、妊娠中に鳥刺しや鳥のたたきを食べて、食中毒の症状がでなかったからといって大丈夫というわけではないんですね。
じゃあ、いったいどうしたらいいの?!
そこで次に、妊娠中に鳥刺しや鳥のたたきを食べてしまった場合の対処法についてお伝えします。
妊娠中に鳥刺しを食べたときの対処法は?
妊娠中に鳥刺しや鳥たたきを食べてしまい、お腹の赤ちゃんへの感染が心配な場合、血液検査を受けることで赤ちゃんへの感染の有無がわかります。
検査を受ける場合は、鳥刺しを食べた日から2週間後にかかりつけの産婦人科で受けてくださいね。
血液検査ではトキソプラズマの抗体の有無を調べるよ!
検査の結果、感染が疑われる場合は、治療薬を服用することでお腹の赤ちゃんへの感染を防ぐことができます。
そのため、鳥刺しや鳥のたたきを食べて感染が心配な場合は、早めにかかりつけの産婦人科に連絡して医師の判断をあおぐと安心ですよ。
また、感染の有無にかかわらず、今後はお腹の赤ちゃんのためにも妊娠中に鳥刺しなどの生肉を食べないようにしましょう。
妊娠中に鳥刺しを食べたときの注意点は?
妊娠中に鳥刺しや鳥のたたきを食べてしまったときに注意したいのが、妊婦さんに症状がなくてもお腹の赤ちゃんに感染している可能性があるということです。
上記でもお伝えしたとおり、トキソプラズマ菌に感染しても無症状であるがために感染していることに気がつかない場合があります。
ただ、妊婦さんの自覚症状の有無に関係なく、トキソプラズマ菌が胎盤を通してお腹の赤ちゃんに感染してしまう可能性はゼロではありません。
そのため、妊婦さん自身に問題がなくても、お腹の赤ちゃんが先天性トキソプラズマ症になってしまうリスクがあるということを常に頭に入れておくようにしましょう。
この事実を知っていれば妊娠中に生肉を食べようとは思わないね…
トキソプラズマ抗体検査は妊婦健診の必須検査ではありませんが、希望すれば検査することができるので心配な場合は検査してみてくださいね。
妊娠中に鶏肉は食べても大丈夫?
結論からお伝えすると、妊娠中に鳥刺しや鳥のたたきといった生のお肉を食べるのはおすすめできませんが、火をしっかり通した鶏肉は妊婦さんにとっておすすめの食材の1つです。
鶏肉にはたんぱく質、鉄分、ビタミンB群など、妊娠中に必要な栄養素が豊富に含まれています。
たんぱく質は妊婦さんのカラダをつくるのに必要なだけでなく、お腹の赤ちゃんの発育にも必要不可欠な栄養素です。
さらにお腹に赤ちゃんがいる妊婦さんは、通常よりも多くのエネルギーが必要となるため、エネルギー生産を活性化する働きがあるビタミンB群の必要量も増加します。
そのためビタミンB群を豊富に含む鶏肉は、妊婦さんやお腹の赤ちゃんにとってうれしい食材なんですね!
また、妊娠中は体内の血液量が増えることから貧血になりやすくなります。
鶏肉のレバーには鉄分が豊富に含まれているので、貧血になりやすい妊婦さんにとっておすすめの食材の1つ!
ただし、鶏レバーにはビタミンAも多く含まれているため、食べ過ぎには注意してくださいね。
ビタミンAを過剰に摂取すると、お腹の赤ちゃんに悪い影響を及ぼす可能性があるので覚えておいてね!
鶏肉にはたんぱく質やビタミンB群、鉄分といった栄養素が含まれているだけでなく、低カロリーであっさりとした味わいなので食べやすい食材でもありますね。
妊娠中の体重管理にもってこいの食材だね!
ただ、これまでお伝えしてきたとおり、生の鶏肉にはトキソプラズマやリステリアなどの食中毒や感染症の原因となる寄生虫や細菌がいる可能性があります。
そのため、食中毒の危険性をなくすためにも完全に火を通した状態のものを食べるようにしましょう!
ビタミンAを多く含む食材の1つにうなぎがありますが、妊娠中に食べる場合は気をつけたい食材の1つになります。
特に妊娠初期にうなぎを食べる場合は量に気をつける必要があるので、気になる場合は以下の記事もチェックしてみてくださいね!
妊娠中に鳥刺しを食べたら危険?食べたときの対処法や注意点は? まとめ
妊娠中に鳥刺しを食べたら危険なのか、さらには食べたときの対処法や注意点についてお伝えしました。
妊娠中には鳥刺しや鳥のたたきといった生のお肉を食べることは、トキソプラズマ症の感染や食中毒のリスクがあるため控えるようにしましょう。
うっかり食べてしまった場合、妊婦さん自身に症状がなくても、お腹の赤ちゃんが「先天性トキソプラズマ症」に感染してしまうリスクがあります。
その場合、血液検査で赤ちゃんへの感染有無を調べることができるので、鳥刺しや鳥のたたきを食べてから2週間後に検査を受けるようにしましょう。
鳥刺しや鳥のたたきが大好きな場合、妊娠中に食べることできず、残念に思われるかもしれませんね。
しかし、大切なお腹の赤ちゃんのためにも、中までしっかり火を通した鶏肉を妊娠中には食べるようにしてくださいね!
火を通した状態の鶏肉はタンパク質やビタミンB群、鉄分などを豊富に含む妊婦さんにとって恰好の食材の1つですよ^^